家庭果樹園造り

　私は小さな頃、紡績会社の社宅に住んでいた。広大な敷地に幾つもの長屋を建て、それを社宅としていたのである。その敷地の中には所有権の無いイチジクやクルミの木があった。農家の友達の家に遊びに行ったりすると、柿の木があったりしてとてもうらやましく思ったのである。小さい頃から家を持てるようになったら、一本でも良いからぜひとも庭に小さな果樹を植えたいと思っていた。
　そんな訳で自分の敷地に果樹を植えることにする。苗木の注文であるが、インターネットで検索すると簡単に見つかった。早速、果樹の栽培方法が出ている本を購入してきて、屋久島で出来そうな果樹の苗木を注文する。１本、１２００円から１６００円で購入できる。
　とにかくなんでも挑戦してみようと、りんご、桃、ブドウ、日本梨、甘柿、渋柿、栗、サクランボ、ブルーベリーと注文をする。１１月の中旬に届く予定である。
　苗が届くまでに苗木を植える場所を確保しなくてはならない。すでに植えられるところには、タンカン、ポンカン、夏みかん、イチジク、温州みかんと植えてある。残っている場所は、下の畑と中央の畑の間にある林の２００�u位の土地である。チェーンソーを使って木を切り倒すのはかなり大変な重労働であるし、４ｍ、５ｍもある木がバタバタと倒れていくのは少なからず心が痛むものである。
　現在、家では灯油の給湯器を使用しているが、将来は薪併用の灯油給湯器に変えようと思っているので伐採した木をある程度の大きさに切りそろえて山積みにしていく。
　４、５ｍ間隔に半径１ｍほどの円形に土を耕し、苗を植える場所を確保する。後は、苗が届くのを待つだけである。