ビール

　屋久島へ来る前、神奈川県の小田原に住んでいて、当時は本当によく飲んだ。電車通勤であったし、職場の周りにも自宅の周りにも飲み屋が多く、飲む場所には事欠かなかった上に、身近に酒好きの人が多く、夕方になると何処からとも無く誘いの声がかかった。二日酔いになることもしばしば。多くの先輩達にはよく奢ってもらっていたのだが、何のお返しもすることなく、屋久島へ来てしまった。
　今の通勤時間は、車で３分。しかも自宅と職場の周りには飲み屋が無い。寂しいといえば寂しいけれど、これが島の生活。安房や宮之浦へ出て、飲み屋で飲むのは年に４、５回ぐらいだろうか。外ではほとんど飲まないが、毎日、自宅で晩酌をしている。仕事が肉体労働なので、特にビールが美味しくてたまらない。休みの日は、早朝の畑仕事の後、テニスの後の夕食時、夜中に目覚めた時と水代わりにビールを飲むので、自分はアルコール中毒ではないかと心配になるほどである。半年ほど前にテレビの健康番組で「３日間、完全にアルコールを絶つことが出来ない人はアル中である。」といっていたので、とりあえず４日間酒を絶ってみたことがある。特に禁断症状も無かったけど、食事の量が減り、嗜好品（酒のつまみ）をまるっきり食べなかったことに気がついた。身体を動かす仕事をしていながら、痩せないのはアルコールの所為であるようだ。アルコール中毒よりも、この美味しいビールと食事が幾つになるまで続けられるのだろうかとこちらの方が心配なのである。