音楽活動４                      　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2001.4.15 　上の子がピアノを習い始めて、二年ほどになる。私が、ピアノを始めて三年であり、一年も早く始めたことになっているがピアノの腕は、すでにもう娘に抜かされている。練習量は、絶対に私のほうが多いのであるが、練習の仕方に問題があるのか、基本からやらなかったせいか、もう歳で学習能力が低下しているのか、娘の方が、格段に進歩が早いのである。私は六曲ほど丸暗記をしているのでその曲だけは弾けるが、娘が練習しているような簡単な曲は、楽譜が読めないので全く弾けない。娘にはそれが不思議でありかつ面白いらしくてよく笑われる。 「なんで、こんな簡単な曲が弾けないの？」と。 　五歳になる下の子も、上の子と同じピアノ教室に通い始めた。二、三年もすればきっと抜かされると思う。 　こんな二人を連れて、月に一、二回、公営の施設を利用して、ピアノの練習に出かける。ピアノがある音楽室が、四時間七〇〇円前後で借りることが出来る。十畳くらいの部屋の片隅にピアノがポツンと置いてある。小学校や中学校の教室のように窓が大きく取ってある南向きの真っ白な部屋で、窓からは太陽の日差しが入り込む。私が練習している時は、二人は床の上で卓球をしたり、ママゴトをやったり、折り紙をして遊んでいる。時には私のピアノに合わせて、部屋の中を二人で行進し、私が間違えると、「ズルッ」と言いながらこけるまねをする。また、私が「プライド」を弾くと、いつも車の中で聞いている娘たちは、この曲を歌ったりするのであるが、耳元で歌われるとピアノが弾けなくなるので、「部屋の反対の隅に行って、歌え。」と注意をする。 　娘がピアノを練習する時は、私は残りの一人と床卓球をするか、あるいは床にシートを敷いて昼寝をしている。ピアノの音がぜんぜん苦にならずに、熟睡できてしまうので不思議である。 　最近は、ピアノに加えて、オカリナを買って練習を始めた。娘がピアノを練習している間に、手持ち無沙汰なので、前々から興味のあったオカリナを買ったのである。ピアノと違い、買ったその時から簡単な曲なら演奏する事が出来るので、子供たちも興味を持っている。上の子は、私の術中にはまり、誕生日のプレゼントにオカリナが欲しいといっている。実は、オカリナには色々な種類（Ｃ調、Ｆ調、Ｇ調に加えて、ソプラノ、アルト、バス）があり、それを自分一人で買うことが出来ないので娘の誕生日のプレゼントとしてそろえてしまおうというのである。  ピアノを始めた時は、「娘とコミュニケーションが取れればいいなぁ。」という特段の思いはまるっきりなかったのであるが、子供と共通の趣味が出来ることにより自分の休日がより充実するようになった。いつもなら、公園等に子供たちを連れて行って、自分はビールを飲み、ベンチの上で昼寝をして過ごしてしまっている。しかし、音楽を始めるようになってから、子供を遊ばせながら自分も遊ぶことが出来るようになり、充実した休日を送っている。自分の子供の教育といっても、特に特別なことをしないできたが、このように何となく子供たちと一緒にいるということが大事なのかもしれない。 　子供たちも小学校の高学年にもなれば、親から離れ、友達と遊ぶようになるらしいが、私はそれを強く期待している。 　毎週、土曜日と日曜日の二日間も自分の自由に使えるとなれば何と人生は素晴らしいのであろうか。それを考えただけでも心がわくわくする。音楽活動も良いけれど、休日はもっともっと山へ行き、自然の中にどっぷり浸かりたいのである。