みなさんは、自分が生きている世界のこと、あるいは自分が生きている宇宙のことをどのようにお考えでしょうか。 科学雑誌によるとこの宇宙は、何もないところから（空間さえないところ）からある日突然大きな爆発が始まり（ビック・バン）、宇宙が出来たと言います。そしてこの宇宙は、現在もなお膨張を続けており、地球から一番遠い星は、光速で遠ざかっているそうです。宇宙はどんどん膨張しているのですが、ある時点から膨張しているのに収束に向かい、宇宙はまた無の世界に帰るのだそうです。 　私は、最近思うのですが、この宇宙というのは人間の心によく似ていると思うのです。人間が生命を宿した時点から何もなかった所に心が出来、大人になるに従い、その心はどんどんと成長していく。そして、老化と共に収束していき、死を持ってその心も消滅する。 　私たちの脳（心）は、直接、外の世界のものを感じていません。目が感じ取った情報を電気信号に変えて脳に送り脳はそれを感じる。何か物に触れれば、手がその情報を電気信号に変えて脳に伝達する。つまり、私たちの脳は物を直接見たり物に触れなくても、その電気信号さえ脳に到達すれば、それを感じることが出来るのです。あるいは、脳の中でその電気信号を作り出すことができれば、世界が無くとも自分の心の中に架空の世界を作り出すことが可能なのです。 それを証明するのが、夢です。実際には寝ているのに（目や皮膚の感覚は何も感じていないのに）、起きている時と同じような映像を頭の中で作りだし感じることが出来ます。 　きっと近い将来には、脳に直接電気信号を送って、宇宙旅行やスポーツ選手たちのプレーを体感することが可能になったりするでしょう。また、目や耳が不自由であっても、見たり聞いたりすることが可能となるでしょう。交通事故などで身体の一部やあるいは、脳だけを残して身体のすべてを失うことがあっても、健康な生活と同じような生活を送ることが出来るかもしれません。（実際は、脳がそう感じているだけなのでしょうけれど。） 　私たちは、宇宙の中の地球で生活をしています。そう感じていますが、実際は自分の実体やこの世界は無く、高性能な心が作り出した、精密で厳格な規則に基づいた架空の世界を生きているだけなのかもしれません。 私たちは、死ぬと同時に「あぁ、おもしろい夢をみたなぁ。」と新たな宇宙（心）の中で、目を覚ますかもしれないのです。 　こんな妄想を抱いて、心の宇宙旅行を楽しんでいるのは私だけなのでしょうか。